さて、音楽をやるぞ!という覚悟を決め、高専を辞めた20歳。
そこから約2年間は、松江で活動をしていました。
この2年間も僕の中では、とても大好きな時間です。
なぜ大好きかというと、
先ゆく未来の不透明さ、新しいスタートに湧き起こる高揚感。
丁度父の遺品である吉田拓郎のアルバムを聴き直し、なんて素晴らしい純文学的な歌詞であり哲学なんだと衝撃を受けたのもこの頃で、
ただただ悶々と自分の中で多くの考えを巡らせることの出来た大切な時間でした。
例えば夜勤のコンビニのアルバイトをしている時
夜中12時頃、静まる店内。相方のスタッフが休憩に入る頃。
やけに頭が覚醒し始めるのです。
当たり前だけど、当たり前じゃない大発見をひとりでにいちいち興奮しながら、メモ用紙に記していくのです。
自分の中での"悟り"の大行列でした。
そんな夜勤中、1人の男性を接客した時の事です。
歳の頃は60歳くらい、ごく普通のどこにでもおられる気さくな方との会話でした。
「お兄さん、若いね〜何歳なの?」
「22歳です」
「そうか、どうせ20代なんてあっという間だぞ〜」
そんな何気ない会話でした。
が自分の中ではとても腹が煮え繰り返るような憤りが走ったのです。
何故、どこの誰かも分からない人に自分の人生あっという間だという事を決めつけられなきゃいけないのかと。
何故人の人生分かったかのように未来を後ろ向きに言ってしまえるのかと、、。
そんな言葉に憤る自分を俯瞰した時、
じゃあ自分は人生において何がゴールなのかと思考を巡らせました。
巡らせました、、。
結果、
『自分が死ぬ間際に、"あー人生楽しかったぁー"と思い返せる人生を送る』
ことがゴールだと確信しました。
じゃあ自分にとって"楽しい"って何だ?
となるわけです。
考えました、、。
考えました、、。
それは、
嬉しい事
憤る事
悲しい事
笑える事
恥ずかしい事
緊張する事
それぞれの感情をフルに体感し続ける。という結論に至りました。
そして、"思い返せる"ってなんだ?
となった時、しっかり"思い出に残す事"が重要だ、
じゃあ思い出に残す為には?
人間"慣れ"というどうしようもない特性で、大人になるにしたがって思い出に残る出来事は年々減っていく。
そこにどうにか打ち勝ち、より多くの思い出を残すための方法を考えました。
それは、
"初体験をすること"
"新記録を作ること"
だ!と至りました。
どうせ、人間の頭はメモリー量もあるだろうから、記憶じゃなく記録に残せば、将来記録を辿ればつい昨日のように思い出せれるだろうし、点と点をつなぐと更に感動がある。
そんな思い出せる体験を積んでいこう!となったのです。
そして死ぬ間際に走馬灯が流れた時、しっかり脳みその奥の奥のちっさい引き出し達がパカパカ開いて、
"あー楽しかったなー、、。"
と思い返せればとても幸せな人生だと確信したのです。
次の日真っ先に地元の大きな本屋、今井書店へ行き、手帳を買いました。
それからというもの、日々
ただただ、
初体験と新記録作りに励んだのです。
思い出作りの記録を残し続けたのです。ただただ、、。
そして時はかなり飛びますが、ようやく迎えた30歳の誕生日。
僕は感じました。
「20代飽きた!!」
と。笑
でも良かった、
"20代あっという間"じゃなくて。
おかげで飽きるぐらい楽しめたと!
そして30代、色々考えました。
結果、考え直しました。
記録に残す余裕が無いくらい目の前に本気で立ち向かい続けると。
自分のためより他者のための時間へと。
そんな戦いを始めている最中です。
少し脱線しましたが、次はとうとう、上京物語です。
つづく
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